ビジネスであっても、互いに感謝を伝えることで、人間関係を円滑にすることができます。
「早々にお送りいただき」も、その感謝を伝えるための「前振り」としてのフレーズであり、これより解説いたします。
「早々にお送りいただき」とは?
まず「早々に」ですが、「すぐに」や「急いで」という意味があります。
この場合「そうそうに」と読みますが、「早々と」は「はやばやと」と読みますので注意してください。
「お送りいただき」は、いわゆる「お(ご)〜いただく」構文が用いられています。
これは「(自分が相手に)〜してもらう」という意味の謙譲表現です。
尚、「いただき」と連用形になっているのは、この後に感謝を表す内容が続くことから、一度文章を区切る「連用中止法」にするために連用形にしています。
蛇足ですが、「送り」は「送る」の連用形ではあるものの、連体形同様に連用形を名詞的な扱いをすることがあり、今回の「送り」もその用法として使われていることに注意しましょう。
同様のパターンに、「お認めいただく」の「認め」や「お調べいただく」の「調べ」などがあります。
更に言えば、「認め印」や「取り調べ」などは、いずれも連用形の名詞的な用法なのです。
話を元に戻すと、以上のことから、「早々にお送りいただき」とは、「すぐに送ってもらって」という意味の謙譲表現であり、感謝の言葉を述べる前の「前振り」としての機能を担っています。
「早々にお送りいただき」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
書類や資料などを相手に「送ってくれるように」依頼して、相手が即時対応してくれたことに感謝する際に使われます。
「先日お願いした資料の送付の件ですが、早々にお送りいただき、誠にありがとうございました」などと伝えます。
「早々にお送りいただき」を使った例文
それでは、他に考えられる例文を挙げてみましょう。
・『先日お話したサンプルを早々にお送りいただき、感謝の言葉もありません』
・『出版したばかりの本を早々にお送りいただき、心より感謝申し上げます』
「早々にお送りいただき」の類語による言いかえ
「早々に」は「すぐに」や「急いで」または「即」でも良いでしょう。
「お送り」は「ご送付」で言いかえられます。
また「お(ご)〜いただく」は、同じ謙譲表現ながら動詞を用いる「〜(し)ていただく」や尊敬表現の「お(ご)〜くださる」で言いかえられるので、表現技法自体の言いかえも可能です。
以上を踏まえると、「すぐに送っていただき」や「急いでお送りくださり」などといった、全体的な言いかえが出来上がります。
まとめ
「早々にお送りいただき」とは、すぐに送ってくれたことに感謝するための、前振りとしての意図があるフレーズです。