ビジネスシーンでは尊敬表現が多く使われますし、中にはなかなか普段お目にかからないようなものも見られます。
今回の「ご賢察の通り」もその一例であり、これより解説いたします。
「ご賢察の通り」とは?
「賢察」は「けんさつ」と読み、文字通り「賢く察する」、つまり「知的なため、表には出ていない事情や状況を鋭く推測できること」という意味合いがあります。
当然、実際に相手の推測が「賢い」かどうかは問題ではなく、目上の人の「推測」に対する配慮の表現です。
それに、尊敬表現として機能する接頭辞「ご」を付けて「ご賢察」となっています。
「ご賢察の通り」という全体の意味としては、「推測の通り」を意味する「お察しの通り」の尊敬表現バージョンであると考えれば良いでしょう。
「ご賢察の通り」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
目上の人から、こちらが明らかにしていない事情や理由などを言い当てる言動や記述があった場合に、それを認めて褒める意味合いで使用されます。
例えば、経営状態が悪化し、取引先への販売価格を値上げせざるを得ない場合に、相手から「経営環境が厳しいかと思いますので、値上げを受け入れます」と言われ、それに対し「恥ずかしながらご賢察の通りでございまして、そのご返答はありがたい限りです」などと用います。
「ご賢察の通り」を使った例文
それでは、上記以外に考えられる使用例を挙げてみましょう
・『ご賢察の通り、只今新商品を開発中です』
・『まさにご賢察の通りで、その鋭い視点はさすがです』
「ご賢察の通り」の類語による言い替え
「賢察」については、同じく「推察」の尊敬表現である「高察」「こうさつ」や、鋭い推測を意味する「明察」などが考えられます。
よって、「ご高察の通り」や「ご明察の通り」などが言い替えとして挙げられるでしょう。
また、シンプルに「ご推測の通り」でも構いません。
まとめ
「ご賢察の通り」とは、「お察しの通り」の尊敬表現バージョンです。
実際に相手の推測が賢いものであるかは問いません。