ビジネスで人に物を贈る場合には、謙遜が必要になるケースも多く、「少ないのですが」もそのようなフレーズの一例でしょう。
今回はこのフレーズについて解説していきます。
「少ないのですが」とは?
「少ない」とは、そのまま「分量が少ない」や「金額が少ない」という意味で問題ありませんが、「自分の相手に対する気持ちの一部でしかない」という意味合いでの「少ない」という要素も加味されています。
つまり「少ないのですが」とは、贈答の金品について「量が少ないのですが」や「大した金額ではないが」ということを、相手への気持ちと比較した部分も含めて表現し、相手が受け取りやすいようにする意図があるフレーズです。
ただし、「大量や大した金額ではない」や「十分過ぎるほどではない」という意味合いで使用されることも多く、本当の意味で「少ない」かどうかは別の問題です。
あくまで、相手が受け取りやすいように、量や額をへりくだった形で表現しているものと考えましょう。
「少ないのですが」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
金品の贈答の際に用いることは既に触れましたが、このフレーズの後には、「受け取って欲しい」といった内容のフレーズが続くことになります。
具体的には、「少ないのですが、受け取ってください」のような形です。
尚、謙遜の意味合いで用いられているとは言え、あくまで具体的な文法上は丁寧表現にとどまり、目上の人に対しては尊敬表現や謙譲表現の要素が足りない側面があります。
よって、基本的に目上の人に用いることは、やや不適切であると考えておきましょう。
「少ないのですが」を使った例文
それでは上記以外の使用例を以下に挙げてみましょう。
・『少ないのですが、お召し上がりください』
・『少ないのですが、先日のお礼です』
「少ないのですが」の言い替え
「量や金額が少ないのですが」という意味を出せる表現を作る必要があります。
・「わずかばかりですが」
気持ちと量や金額の両方に対して「わずか」という意味ですので、代用出来ます。
・「ほんの気持ち程度ですが」
「ほんの」は漢字も使うと「本の」で、「名ばかりの」という意味ですから、全体として「ちょっとした気持ち程度」という意味になり、「少ないのですが」の言い替え表現として機能します。
まとめ
「少ないのですが」とは、贈答の金品に対して「量や額が少ないが」という意味合いで表現し、相手が受け取りやすいようにする前置き表現です。
自分の相手に対する気持ちと比較して「少ない」という意味も含まれています。