「お越しいただければ幸いです」とは?ビジネスメールや敬語の使い方を徹底解釈

「お越しいただければ幸いです」とは? ビジネス用語

ビジネスでは、相手に何かしてもらうことに対して敬意を表すことは、マナーとしての1つの大きな軸と言えます。

「お越しいただければ幸いです」もそのような考えに基づいたフレーズであり、これより解説いたします。

「お越しいただければ幸いです」とは?

このフレーズは、「お〜いただく」「お〜いただける」の形を取る、「(相手に自分が)〜してもらう」「(相手に自分が)〜してもらえる」という意味の謙譲表現フレーズであることが、まず理解出来るかと思います。

今回は「いただければ」と、「いただける」の仮定系「いただけれ」と仮定の接続助詞「ば」の結合表現が使われているため、「してもらえる」という意味のパターンになります。

一方「お越し」とは、「行くこと」「来ること」の尊敬表現名詞です。

ただ、一般的には「来ること」の尊敬表現として使用される傾向が強く、今回のフレーズでもその意味で使用されています。

また「〜いただければ幸いです」は、「相手に〜してもらえるなら自分は嬉しい」という、決定権を相手に委ねた形での依頼表現の頻出パターンですので、全体を通した意味は、「来てもらえるなら自分としては嬉しいです」という内容の謙譲表現であることがわかります。


「お越しいただければ幸いです」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点

ビジネスシーンでこのフレーズが使用されるのは、相手に自分の元へ来てもらいたい場合です。

謙譲表現ではありますが、自分側の一方的な都合で来てもらう場合には、相手が同輩である場合は当然、目下であっても使用される可能性があります。

尚、「自分の元」とは、自分の家や会社だけでなく、自分が相手を招待する場所でも構いません。

具体的な使用例としては、「商品をお試しになる際には、弊社のショールームにお越しいいただければ幸いです」といった形が考えられます。


「お越しいただければ幸いです」を使った例文

それでは、上記以外に考えられる使用例を挙げてみましょう。

・『弊社創立50周年式典にお越しいただければ幸いです』
・『ご多忙中とは思いますが、お越しいただければ幸いです』

「お越しいただければ幸いです」の言い替え

「来てもらえればうれしい」という表現を、相手に敬意を持った形で表現出来るかが言い替えのポイントとなります。

「ご来訪くださるようお願い申し上げます」
「訪ねて来る」の尊敬表現「ご来訪」と、目上の相手が「〜してくれる」という尊敬表現「くださる」を用いて、強い謙譲表現によるお願いの形を取った敬語表現での言い替えです。

「お訪ねいただきたく存じます」
「訪ねる」の名詞的用法「訪ね」を用いて、「訪ねて欲しい」という依頼を、あくまで自分の願望であるという形にした、遠慮がちな依頼表現による言い替えになります。

「お越しいただければ幸甚に存じます」
「幸甚」「こうじん」と読み、「とても嬉しい」「とてもありがたい」という意味になります。

「幸甚に存じます」で、通例として「幸いです」をより丁寧にした表現として扱われます。

まとめ

「お越しいただければ幸いです」とは、相手に自分の元に来て欲しい時の依頼表現であり、特に自分の都合で相手を呼びたい場合に用いられるフレーズです。

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