メールや手紙の冒頭に使用される「錦秋の候」。
ここではこの言葉の意味と使い方について解説していきます。
「錦秋の候」とはどういう意味?読み方は?
まず「錦秋の候」とは「きんしゅうのこう」と読みます。
紅葉が錦の織物のように美しい秋、という意味を持つ時候の挨拶で使われる言葉です。
木々が鮮やかに彩られる時季、ということで主に秋の終わり頃、10月中旬から11月上旬頃までの間に使われます。
同じような時期に使われる時候の挨拶として「仲秋の候」、「秋晴の候」、「紅葉の候」などがあります。
「錦秋の候」はどのように使う?
時候の挨拶は手紙はもちろんメールを送る際にも使われる言葉です。
冒頭に使われるのが一般的とされています。
今回のように季節特有の自然の様子を表したものから、気温の変化を表したものなど数多くの種類があります。
その数多くの中から適切なものを選択する必要がある、少し難易度の高い挨拶です。
時候の挨拶を使う際はいくつかルールがあります。
まず「拝啓」「謹啓」と言われる頭語を書き、次に時候の挨拶、相手の安否を伺う文を書きます。
ですが、ビジネスメールにおいてはこの頭語を省略する場合もあるので、注意しましょう。
では実際どのように使えばよいのでしょうか。
いくつか例文をご紹介していきます。
先程説明したように、時候に挨拶の次に相手の安否を伺う文が必要になります。
例えば「錦秋の候、貴社におかれましては一段とご清栄のこととお慶び申し上げます」。
これは相手の会社の繁栄を喜ぶことを意味し、主に企業に対して使われます。
他には「錦秋の候、?様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます」。
これには相手の方が健康で幸せな日々を送っていることを喜ぶ、という意味で使われます。
こちらは一般的に個人に対して使われます。
挨拶として便利ですが、ビジネスメール使用時には一つ注意すべきことがあります。
それが使うタイミングです。
毎日多くのメールをやり取りするビジネスの場では、大抵の場合これら時候の挨拶は省略されます。
できるだけ簡潔なメールが求められるからです。
年末年始の挨拶など、畏まった場合のみにするなど、事前に使う場面を決めておくようにしましょう。
まとめ
「錦秋の候」について紹介していきました。
いかがでしたでしょうか。
時候の挨拶も含めた文頭の挨拶についても解説してきました。
文頭の挨拶というのは奥が深く、結婚式やお葬式の場では避けた方がいい言葉なども数多く存在します。
適切に使うことができればレベルの高いメールや手紙が送れますが、使い方を間違えると相手にマイナスなイメージを持たれてしまう場合もあります。
送る相手や場面で上手に使い分けることができるようになりましょう。