ビジネスでは、相手に対する配慮は欠かせません。
それは本当に相手を思いやってのことなのか、単に相手に寄り添っている印象を与えたいだけなのかという違いはあっても、どちらもビジネスには重要な要素となります。
「ご事情」もまた、そのような場面で使われやすい表現であり、これより解説したいと思います。
「ご事情」とは?
「事情」とは、「物事がある状態になるまでの理由や経緯もしくは状況や結果」といった意味をなします。
「事情に配慮して」や「止むに止まれぬ事情」もしくは「事情を考慮して」などというフレーズの中でよく用いられます。
尚、「事情」という言葉は、具体的なことを示さず、何らかの理由や状況があるという「濁した」意味で用いられることもあります。
いずれにせよ、「ご事情」の場合、丁寧表現を作り出す「ご」という接頭辞が付くことで、相手に配慮した表現になっていると言えるでしょう。
「ご事情」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
「ご事情」は相手の「事情」を意味しますが、ビジネスでこの言葉が出てくる多くの場合、自分の側にとってはあまり良い「事情」ではないこと意味するケースが目立ちます。
つまり、こちらが想定していることや期待していることが、相手の問題で上手く進まない、上手く行かない場合の理由や状況を「ご事情」という言葉で示していることが多いのです。
当然、具体的な相手の「ご事情」については、この言葉を発する前に相手や第三者から伝えられていることが前提となります。
いずれにせよ、具体的な問題点をまとめて、あるいは相手に配慮して柔らかい表現にするため、「ご事情」という表現にしているわけです。
「ご事情」を使った例文
それでは具体的な使用例を挙げてみましょう。
・『値上げのご事情については理解いたしました』
・『キャンセルのご事情については承知いたしました』
・『ご家庭のご事情を伺い、心苦しく思います』
「ご事情」の類語による言いかえ
「事情」の類語としては、既に意味として挙げた「理由」や「状況」が挙げられるでしょう。
ただ、いずれの言葉も「ご」を付けると不自然になるケースもあり、そのまま「理由」や「状況」の方が良い場合もあります。
まとめ
「ご事情」は、相手が置かれた状況や経緯などについて配慮した言葉です。
基本的に、自分にとっては都合の悪い「事情」を意味するケースが目立ちます。