ビジネスシーンでは、様々な調査やアンケートが実施されています。
「ご回答いただければ幸いです」はそんな時によく使われるフレーズですので、これより詳しく解説いたします。
「ご回答いただければ幸いです」とは?
まず「回答」の意味ですが、「何らかの質問などに対する返答」を意味します。
一方、間違われやすい「解答」は、「問題などを解いて答えること」を意味します。
ですから、アンケートなどの場合の「かいとう」には「回答」が用いられるのです。
尚、丁寧な意味を与える接頭辞の「ご」に漢語由来の言葉(このケースでは「回答」)と「いただく」が並ぶと、「〜する」という意味の強い尊敬表現になります。
「ご回答いただく」もそのパターンに該当していますので、強い敬意を表す尊敬表現なのです。
また、「ご回答いただければ」は仮定を意味する表現になっており、それに「(そうなれば)ありがたい」ことを意味する「幸いです」が付いた形です。
これにより、決定権は相手に与えた上でのお願いという、相手に十分配慮していることを表現できます。
いずれにせよ、「〜であれば幸いです」は、基本的に定型表現だと考えておきましょう。
改めて全体を通すと、「(アンケートなどに)答えてもらえればありがたいです」という意味の、強めの敬語(尊敬)表現を意味しています。
「ご回答いただければ幸いです」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
現在の企業活動は、さまざまなリサーチの上で成り立っており、商品の性能やサービスのあり方も、顧客や取引相手からのアンケートなどから日々磨かれています。
つまり、アンケートなどの調査に返答してもらえるかどうかは、企業にとってはある意味死活問題です。
相手に快く回答してもらえることが重要であり、そのために「ご回答いただければ幸いです」のような丁重な依頼表現が必要とされます。
調査票に直接書かれる場合もあれば、別途伝えられることもあり得ますし、口頭でも使用可能な表現です。
「ご回答いただければ幸いです」を使った例文
それでは実際に有り得そうな表現を挙げてみましょう。
・『先日配布いたしましたアンケートにつきまして、月末までにご回答いただければ幸いです』
・『お忙しいところ申し訳ございませんが、ご回答いただければ幸いです』
「ご回答いただければ幸いです」の類語による言いかえ
まず、「回答」という名詞の代わりに「回答する」という動詞を用いて、「回答していただければ幸いです」という、少し変化させただけの言いかえが考えられます。
次に、「回答」自体の類語として「返答」「へんとう」を用いたり、答えたアンケートを渡すという意味合いを重視して「提出」「ていしゅつ」を用いたりすることが考えられます。
この場合には、「ご返答いただければ」や「ご提出いただければ」となります。
「幸いです」の部分は「嬉しい」や「ありがたい」で代用し、「嬉しく思います」や「嬉しく存じます」あるいは「ありがたく思います」や「ありがたく存じます」といった言いかえも考えられるでしょう。
また、全体的に強い敬語表現による依頼と捉えれば、「大変恐縮ですが、ご回答をお願い申し上げます」といった、別の強い敬語表現による言いかえもあり得ます。
まとめ
「ご回答いただければ幸いです」とは、なんらかのアンケートや調査に答えてもらうことを依頼するフレーズです。
相手にかなり配慮した依頼表現になっています。