ビジネスでは、常連の顧客、いわゆるリピーターは重要な存在です。
そのような人達に特に向けたフレーズも当然あるのですが、「ご愛顧いただいている」という表現もその1つと言えます
今回は、その「ご愛顧いただいている」というフレーズについて解説していきます。
「ご愛顧いただいている」とは?
「ご愛顧」は、丁寧な表現にする接頭辞の「ご」が「愛顧」に付いたもので「ごあいこ」と読みます。
「愛顧」の意味は、「贔屓」「ひいき」や「かわいがって面倒をみること」と言った「人」を重用するという意味がありますが、それが転じて、「同じモノを愛用すること」という意味もあります。
また、「ご」に漢語由来の名詞と「いただく」が並ぶと、「(相手に)〜してもらう」という意味になりますので注意してください。
つまり「ご愛顧いただく」で、「贔屓にしてもらう」や「愛用してもらう」という意味になり、そこに状態を意味する「いる」という動詞が付いているので、全体として「(お客様に)贔屓にしてもらっている」や「(お客様に)愛用してもらっている」という意味になっているのです。
「ご愛顧いただいている」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
このフレーズが使用されるのは、通常は顧客を相手にする場合の社交辞令としてです。
意味的には継続的な取引関係があることが想定されますが、小売など不特定多数相手のビジネスでは、特に取引関係が継続している顧客だけに限定して使用する必要はありません。
また、ビジネス上での「ご愛顧いただく」は、自分側である人や企業を「贔屓」にしてもらっている場合だけでなく、自分側が提供している商品やサービスといったモノを「愛用してもらっている」場合も使用対象です。
「ご愛顧いただいている」の後には、「ご愛顧」の対象である人や企業あるいはモノが続きます。
「ご愛顧いただいている」を使った例文
では実際の使用例を挙げてみましょう。
・『日頃からご愛顧いただいている弊社ですが、来年はいよいよ設立20周年を迎えることができそうです』
・『長年皆様にご愛顧いただいているハンバーガーセットにつきまして、残念なご報告がございます』
「ご愛顧いただいている」の類語による言いかえ
既に触れましたが、人や企業が「愛顧いただいている」場合には「ご贔屓いただいている」、モノが「ご愛顧いただいている」場合には「ご愛用いただいている」で代用出来ます。
また、人や企業の場合には、「目をかける」を用いた「目をかけていただいている」や、「引き立てる」を用いた「お引き立ていただいている」も使用可能でしょう。
更に「いる」を「おります」という丁寧表現にするのもよく見るパターンです。
「日頃からご愛顧いただいております〜」というフレーズは頻出しています。
まとめ
「ご愛顧いただいている」は、自分や自社を贔屓に、あるいは自社の商品やサービスを愛用してくれている顧客に対し用いるフレーズで、このフレーズの後には、自分や自社や自社製品などが続きます。
通常は、継続的な取り引き関係のある顧客に社交辞令的に用いられますが、小売業の場合など、取引の継続性は問わない場合もあります。