「遵守いただきますようお願いいたします」とは?
ビジネスメールや会話での使われ方や敬語の使用方法を徹底した解釈で以下に詳しく説明します。
「遵守いただきますようお願いいたします」とは?
この言いまわしの「遵守」は「じゅんしゅ」と読み、「規則や法律、道理などに従い、それを守ること」の意です。
「いただく」の部分は「いただきますよう」と「いただけますよう」の二通りのよく似た言いまわしが使われますが、微妙な違いがあります。
「いただきます」は「いただく」に丁寧語の「ます」を付けただけのもので意味も「~してもらう」ですが、「いただけます」はそれを可能形に変化させたものです。
可能形にすることで意味も「~してもらえる」となり、「いただきます」よりも丁寧な表現になります。
また、「よう」は婉曲な命令・希望を表わす言葉です。
これに相手に何かお願いする時に使う語句の敬語「お願いします」が付いて、全体として「規則や法律を守って行動してもらうようにお願いします」との意になります。
「遵守いただきますようお願いいたします」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
このフレーズは規則や法律を守ってほしい場合に用いられる言いまわしです。
「遵守」によく似た言葉に「順守」がありますが、これは「遵守」の同義語になり漢字の違いだけでどちらも間違いではありません。
しいて言えば、「遵守」は政府が発行する文書や法令に関する文書には「遵守」が使われ、新聞やメディアなどは「順守」を使っています。
どちらを使うべきか迷った場合は政府にならって「遵守」を使う方がビジネス的には適切ですが、どちらでも問題はありません。
「遵守いただきますようお願いいたします」の正しい敬語表現
このフレーズは「遵守する」を尊敬語の「遵守いただく」という敬語にし、丁寧語の「ます」、婉曲な命令・希望を表わす「よう」、「お願いする」よりも丁寧な敬語「お願いいたします」をつけた言いまわしです。
なお、上述の通りこのフレーズは「いただけますよう」という可能形の敬語表現にもなります。
「遵守いただきますようお願いいたします」を使った例文
このフレーズを活用した例文を以下に紹介します。
・『どうか遵守いただきますようお願いいたします』
・『なにとぞ遵守いただきますようお願いいたします』
「遵守いただきますようお願いいたします」の類語・言い替え
このフレーズの類語・言い替え例を以下に紹介します。
・『遵守いただきたく存じます』
・『遵守いただければ幸いです』
・『厳守いただきますようお願いいたします』
・『準拠いただきますようお願いいたします』
・『堅守いただきますようお願いいたします』
「存じます」は相手に強要しない、やわらかいお願いの敬語フレーズ、「幸いです」はとても丁寧な敬語フレーズです。
「厳守」は「遵守」と非常によく似た言葉ですが、「厳守」は適用される範囲が時間やルール、約束、秘密など「遵守」に比べて多岐にわたります。
「準拠」は「~をよりどころとする」の意で、守るという意味合いでは「遵守」の方が強めになり、「堅守」は「堅く守ること」の意で規則や法律以外のことによく使われます。
まとめ
「遵守」とともによく使われるようになった言葉に「コンプライアンス」があります。
「コンプライアンス」とは「法令遵守」を指す言葉ですので、この機会に一緒に覚えておきましょう。