社会人ともなると、なかなか会えなかったり、連絡できなかったりすることも増えます。
そのような場合に使うことになるのが、「ご無沙汰いたしております」というフレーズかもしれません。
今回はこのフレーズについて解説いたします。
「ご無沙汰いたしております」とは?
まず「ご無沙汰」ですが、「沙汰が無い」という意味の「無沙汰」に、「ご」という接頭辞を付けて丁寧表現もしくは謙譲表現にしている形です。
では「沙汰」とは何なのかということですが、この場合は「会ったり連絡したりすること」つまり「便り」や「音信」を意味しています。
いたしておりますは、文法的には、「する」の謙譲語「いたす」の連用形「いたし」に、接続助詞の「て」が付き、更に「いる」の謙譲語「おる」の連用形「おり」に、丁寧表現の助動詞「ます」の終止形が付いた部分が続く形です。
この箇所だけを見ると、「しています」という意味ですあり、謙譲表現を用いて聞き手に配慮した、いわゆる「丁重表現」が使われています。
以上を踏まえたフレーズ全体は、「連絡もしない状態にしています」、つまり「連絡もしないままにしていました(ので申し訳ありません)」という内容を意味します。
「ご無沙汰いたしております」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
なんらかの理由で久しぶりに会った、もしくは連絡した場合に定番のフレーズです。
概ね、以前は割と頻繁に会っていたか連絡を取り合っていた関係を前提にしている傾向があります。
このフレーズの後には、「お変わりありませんでしょうか」など、体調を気遣う内容の表現が続いたり、近況を問うような表現が続きます。
「ご無沙汰いたしております。相変わらずお元気そうで何よりです」などと言うパターンが考えられるでしょう。
「ご無沙汰いたしております」を使った例文
それでは、他に考えられる例文を挙げてみましょう。
・『大変ご無沙汰いたしております』
・『このところ多忙を極め、ご無沙汰いたしておりますことお許しください』
「ご無沙汰いたしております」の類語による言いかえ
「ご無沙汰いたして」の部分は、「ご連絡もいたさず」か「ご連絡もせず」と言った表現が考えられます。
「いたさず」はあまり聞き慣れない表現ですので、敬語表現を落としても「せず」の方が良いでしょう。
また、「おります」は丁重表現で、聞き手に配慮した表現です。
このフレーズ全体で、しばらく連絡が途絶えていたことを暗に謝罪する意味も含まれていますので、「ご連絡もせず申し訳ございませんでした」などとすれば、フレーズ全体の意図を表現できるでしょう。
また、謝罪の意図や丁重な意味合いは薄くなりますが、「お久しぶりです」も、大意としては言い替え表現として使用可能です。
まとめ
「ご無沙汰いたしております」は、しばらく連絡しなかったり合わなかったりしていた状態を詫びる意味と、「久しぶり」という意味を両方兼ね備えた表現です。
「おります」という謙譲表現を使った、いわゆる「丁重表現」が使用されています。