世の中には、否定的な意味で使用されるフレーズも当然あります。
「しかねない」もその1つであり、これより解説してみたいと思います。
「しかねない」とは?
まず、「しかねない」を文法的に分解してみましょう。
「〜することに拒否感がある」や「〜することを拒否する」という意味の動詞「しかねる」の未然形「しかね」に、否定の助動詞「ない」の終止形(この後に直接まだ続く場合は連体形)が付いた形です。
尚、「しかねる」を漢字も使って表記すると「仕兼ねる」となります。
「〜することに拒否感がある」ことが「ない」ので、「通常なら抵抗感があるがそれがない」という直訳から、「通常ならしないことをしてしまう可能性がある」という意味になります。
基本的にマイナス要素のある表現で、「悪い方向に向かってしまう」や「間違ったことをしてしまう」という意味合いが含まれる傾向があります。
「しかねない」のビジネスでの使い方や使われ方、使うときの注意点
ビジネスで使われる場合、主に事態が悪い方向へ作用することを表現する際に使用されます。
例えば、「不況がこのまま続くと、当社も倒産しかねない」や「寝不足続きだと、遅刻しかねない」と言った表現があり得るでしょう。
また、ビジネスではあまり使う機会はありませんが、「ああいう人物なら犯罪行為をしかねない」などの、直接的に個人の人格を否定するような使用パターンもあります。
「しかねない」を使った例文
それでは、他に考えられる例文を挙げてみましょう。
・『ライバル企業が価格競争をしかけてきたので、利益率が低下しかねない』
・『台風が近付いているので、公共交通機関が運休しかねない』
「しかねない」の言いかえ表現
「しかねない」が「通常ならしないことをしてしまうかもしれない」という意味を持つことから、「する恐れがある」が最も適切な言いかえ表現と考えられます。
例えば、「倒産しかねない」なら、「倒産する恐れがある」という形で代用可能です。
まとめ
「しかねない」とは、否定的な状態になってしまう可能性や、間違ったことをしてしまう可能性を表す表現です。