「ご海容のほどお願い申し上げます」とは?
ビジネスメールや会話での使われ方や敬語の使用方法を徹底した解釈で以下に詳しく説明します。
「ご海容のほどお願い申し上げます」とは?
このフレーズの「ご海容」は「海のような広く深い気持ちで相手を受け入れること」すなわち「寛大な気持ちで許すこと」の意です。
「～のほど」は相手に対する押しつけを避けて表現をやわらげる効果がある語で、「～してもらうよう」「～してくれるよう」の意となります。
これに相手に何かお願いする時に使う語句の敬語「お願い申し上げます」がついた言いまわしです。
よってこのフレーズは、「相手に対して寛大な気持ちで許して惜しい、当方の事情も分かって欲しい」とお願いする際に用いられます。
「ご海容のほどお願い申し上げます」のビジネスメールや会話での使い方や使われ方、使うときの注意点
このフレーズは話し言葉ではなく、主にメールや手紙で使用されます。
特に何らかの許しをお願いするビジネス上のメールで使用するケースが常套です。
また、上司や目上の人などの社内の人に対してだけではなく、取引先などの社外宛に対しても同様に使える語句です。
なお、このフレーズに固執せず、「宜しく」「なにとぞ宜しく」「お願いいたします」などにも変化できます。
「ご海容のほどお願い申し上げます」の正しい敬語表現
このフレーズの「ご海容」は「海容」に尊敬語の「ご」がついた敬語表現で、相手を敬った尊敬語としての使い方となります。
「お願い申し上げます」は「言う」の謙譲語「お～申し上げる」により「お願い申し上げる」となり、これに丁寧語の「ます」を付加して「お願い申し上げます」という敬語表現となります。
「ご海容のほどお願い申し上げます」を使った例文
このフレーズを活用した例文を以下に紹介します。
・『事故による納品遅延について、ご海容のほど宜しくお願い申し上げます』
・『～、ご海容のほどなにとぞ宜しくお願い申し上げます』
・『～、ご海容のほどお願いいたします』
・『～、ご海容のほど宜しくお願いいたします』
・『～、ご海容のほどなにとぞ宜しくお願いいたします』
「ご海容のほどお願い申し上げます」の類語・言い替え
このフレーズの類語・言い換え例を以下に紹介します。
・『ご海容賜りますようお願い申し上げます』
・『ご海容を賜れますと幸いです』
・『ご海容を賜れますと幸甚に存じます』
・『ご海容くださいますようお願いいたします』
「～のほど」の代わりに「賜る」を使用すると畏まったフレーズになります。
「ご海容くださいますよう」は「理解して受け入れてくれるように」の意味です。
また、「ご海容」は「ご容赦」に言い替えられます。
「ご容赦」は「無礼や失敗を咎めないこと」「手加減すること」をいいます。
まとめ
このフレーズの「ご海容」はあまり聞かれない言葉で馴染がありませんが、文法的には間違いなく、目上の人や畏まったシーンで使えるとても丁寧な語句です。
表現によって丁寧度合いが微妙に異なりますので、相手に応じて使い分けられるようにしましょう。
